ヘルスケア

医療技術向上、増える発毛治療の男性

 発毛治療に取り組む男性が増えている。中高年男性にとって薄毛は悩みの種だったが、近年は医療技術の進歩に伴い、薬の処方で予防、発毛、増毛、抜け毛の改善が可能となっているからだ。10月20日は日本毛髪科学協会が定める「頭髪の日」だった。もうカツラだけの時代ではなさそうだ。

 「3カ月で生えてほんまに変わりました!」。発毛治療を受けたお笑いコンビ、ナインティナインの岡村隆史(49)は8月29日、都内で報道陣らを前に発毛の成果を発表した。

 岡村が通院したのは「Dクリニック東京 メンズ」(東京都千代田区、小林一広院長)。平成11年に開院した頭髪治療専門クリニックで、症例の蓄積が最大の強みだ。同院のグループ全体で延べ220万人の治療実績がある。

 発毛市場の規模を示すデータはないが、発毛、マッサージ、脱毛を含めた男性コスメ市場は年々拡大。29年度の市場規模は1658億円(TPCマーケティングリサーチの調査)で、10年間で2割超の増加だ。

 Dクリニックでは、19年から10年間で患者数は約5倍に増えた。小林院長によると、これまでは30~40代前半の患者が中心だったが、最近は40代後半から50代が急増しているという。

 発毛には“毛生え薬”のイメージが先行し、効果が疑わしいとの印象が持たれがちだ。だが、同院では頭髪の撮影や血液検査を実施し、医学的な観点での治療を心がけている。例えば、薄毛がどの部分にみられるかをパターン別に分類した上で内服薬、外用薬を処方している。

 興味深い事例がある。一卵性双生児の弟が発毛治療を始めたところ髪の毛が増え、治療しなかった兄は薄毛が進行したケースだ。一卵性双生児は基本的に同じ遺伝子を持ち、男性型脱毛症(AGA)は遺伝の要素が進行に影響を持つといわれれている。

 症例数が限られているため、すべての一卵性双生児にあてはまるとまではいえないが、治療の有無で進行に差が出ている。

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