今どきワークスタイル

中途採用でも職場体験 選考過程で実際に仕事してもらいミスマッチ防ぐ

 社風、スキル…採用前に確認

 転職市場での採用手法が変化してきている。従来は面接中心だったが、選考過程で実際に仕事を体験してもらうケースも出てきた。人材獲得競争が激しくなるなか、人間関係や職場環境、仕事の進め方などを事前に知らせることで入社後のミスマッチを防ぎ、早期の定着をはかるのが狙いだ。(油原聡子)

 語学学習サービスの企画・運営を行う「Lang-8(ランゲエト)」(東京都渋谷区)で人事兼管理部長を務める佐々木義弘さん(35)は昨年3月、自身も同社の「お試し入社」を経て採用された。

 勤めていたベンチャー企業が解散し、次の仕事を探していたときにお試し入社を経験。その間、業務委託の形で働き、報酬も支払われた。就業規則の原案作成などを担当し、3週間ほどで採用された。佐々木さんは「会社の雰囲気やどんな人たちと一緒に仕事をするのか知ることができた。入社後のギャップもなかった」。

 同社のお試し入社の期間は人それぞれだが、エンジニアなどには土日に在宅で仕事をしてもらうケースもある。面接中心の採用に比べてコストはかかるが、喜洋洋社長は「少人数の会社なので入社後に退職されると影響も大きい。面接や経歴からはわからない、仕事の質もわかる」。

 実名口コミグルメサイトを運営する「レッティ」(東京都港区)では、一部の職種で半日から1日程度の職場体験を実施している。「職場風土に合うかをお互いに確認することは重要。採用過程で、一緒に働くことになるチームメンバーが主体となって動いたほうが採用候補者に渡る情報も増え、双方深い理解ができる」と広報担当者は話す。

 「定着率低い」4割

 求人情報サイト「体験入社」では、職場体験や見学を実施している約70社の求人を扱っている。運営会社の松本聖司社長は「職場体験の期間や報酬の有無はさまざまですが、ITやウェブ業界のエンジニアやデザイナーで多い。最近は業界を問わず、営業職や販売職でも増えています」と話す。

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