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IR、万博、インフラ整備 大阪・夢洲で工事同時多発も 交通アクセスに課題

 混乱を避けるため、市は夢洲内の工事を一括管理する事業調整会議を設置。工程管理や運行ルートの調整を行うほか、資材は極力、海上運搬することも検討している。

 それでも「万博とIRのどちらかが譲歩しなければ」(市幹部)と両立困難という見方は根強い。関西経済界や与党からは「国家事業の万博ファースト」との声も上がる。

 これに対し、松井一郎・大阪市長は「工事調整は必要だが(万博とIRが)同時に開業することで相乗効果が生まれる」と説明。両立は「ミッション」と強調している。

 市は今後、夢舞大橋や周辺道路を4車線から6車線に拡幅するほか、夢洲内に物流と観光車両の動線を分ける高架道路もつくり、万博期間中(25年4月中旬~10月中旬予定)の計約2800万人の想定来場者に対処する計画だ。

 ある市幹部は「2800万人であれば対応できる」としながら、「想定を1割超えたら厳しいかもしれない」。仮に年間1500万人の来場を見込むIRの同時開業が実現すれば、その「1割超え」は確実で、来場者輸送の面で新たな対策を迫られることになる。

 万博の詳細な来場者輸送計画は国土交通省や府市、民間企業などで構成する専門部会が検討中。日本国際博覧会協会は来年秋ごろ策定する万博基本計画に反映する方針だ。

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