構想2年…こんまりが片づけ教える絵本 世界への影響力「想像の10倍以上」
“こんまり”の愛称で人気の片づけコンサルタント、近藤麻理恵さん(35)が初めて手がけた絵本『キキとジャックス なかよしがずっとつづくかたづけのまほう』(文響社)を刊行した。絵本分野で受賞歴が豊富な作家サリナ・ユーンさんとの共著で、「多くの親子が片づけを楽しみながら、ときめく暮らしができるようになってもらえれば」と思いを語る。
わが子のために
近藤さんは「一度片づけたら、二度と散らからない」をうたい、2010年に出した実用書『人生がときめく片づけの魔法』が世界40カ国で翻訳され、累計1千万部突破のベストセラーになっている。米TIME誌が15年に発表した「世界で最も影響力のある100人」に、作家の村上春樹氏とともに選出された。海外からの仕事依頼が増えたこともあり、16年に活動拠点を米カリフォルニア州に移した。12月3日に東京都内であった出版記念トークショーには、久々の日本お目見えとあって主婦を中心とした約60人の“こんまり”ファンが駆けつけた。
これまで片づけ術に関する実用書を何冊も出版しているが、初の絵本の内容も、やはり片づけだ。
「4歳と3歳の娘に片づけをどう教えていくかを考えていたとき、本好きの2人は、読んだ本の内容をまねして遊ぶことに気づいた。それで“片づけを教える絵本を作ったらいいんだ”と、思いつきました」
構想2年
キキ(リス)とジャックス(フクロウ)は大親友だが、性格は正反対。モノを集めるのが好きなキキに対し、ジャックスは片づけ好き。一緒に遊ぼうとするが、多くのモノが邪魔をして…というストーリーを、「構想から2年くらいかけてまとめた」。それをユーンさんが絵と文で表現した。英文でも各国で発売されており、日本語版も同時刊行された。
自らのリクエストで、絵本の中には娘が使うバッグやぬいぐるみなどを描いてもらった。娘に読み聞かせるたびに、「見て見て~」と興奮しているという。
「(娘たちは)洋服をたたむのが上手なんです。どこで覚えたんだろうと思うくらい、すーっとした手付きでたたんでいる」と明かす。5歳のときから主婦雑誌を愛読してきた自身の片づけ遺伝子が、娘に受け継がれていることを喜ぶ。