死後の手続き(1)臨終から葬儀まで
◆寺院
葬儀を執り行う際、まずは菩提寺(ぼだいじ)があるか、ないか、先祖供養の環境を確認する。菩提寺とは、死者の追善供養を営む寺院のことをいい、先祖代々の墓があったり、法要などの付き合いがあったりする。
▼菩提寺がある
まず、菩提寺に連絡をとって、訃報の連絡を入れ、通夜、葬儀・告別式のスケジュールを調整する。「菩提寺が遠方だから、連絡する必要はないのでは」「セレモニーはしない。火葬だけだから連絡は不要」ということはない。遠方の場合でも、都合をつけて来てもらえることもあるし、無理な場合は別の寺院の紹介など、代替案を示してくれる。
「火葬のみ」だとしても、菩提寺にはひとこと連絡を入れておく。連絡しなかったからといって、お布施の額が上がったり、納骨を拒否されたりすることはないが、菩提寺との関係性に溝が生じてしまうこともある。
▼菩提寺がない
菩提寺がない場合はどうしたらよいか。特定の宗教・宗派にとらわれない「無宗教葬」「自由葬」というスタイルで行うことも可能だが、「区切りとして宗教儀礼をともなって送りたい」と、仏式を希望する人が割合的には多い。
その場合、葬儀社に相談すれば、希望の宗教・宗派の寺院を紹介してくれる。紹介された戒名(法名)を授かることもできるが、とりあえず俗名のままで葬儀をお願いすることも可能だ。
◆お布施
寺院へ渡す金品を「お布施」という。本来は修行のひとつではあるが、現代では読経や戒名に対するお礼という意味に転じて解釈している人が多い。
ただし、戒名や読経、労働の「対価」という意味ではないので、「戒名料」「読経料」という言葉は控えること。お布施は専用の金封包みを利用するか、奉書紙に包む。
お布施の相場は地域、戒名の「格」、さらに寺院の考え方によって異なる。
相場を把握する方法としては、地域の葬儀社に尋ねてみるのがよいだろう。
お布施はあくまで「お気持ち」なので、難しい場合は見えを張らず、素直に「用意することが難しい」と伝えてみる。理解が得られる場合も多いはずだ。
(『終活読本ソナエ』2020年新春号から順次掲載)