ヘルスケア

緊急事態宣言だされたら?…強制力は臨時病院整備など

 新型コロナウイルスの深刻な感染拡大で現実味を帯びる改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言が発令されれば、臨時医療施設開設に向けた建物確保などを強制力を持って臨むことができる。小池百合子・東京都知事が「都市封鎖(ロックダウン)」について言及したことで、海外でみられる強制的な外出禁止などが実施されるか懸念が広がるが、同法では行うことはできない。

 緊急事態宣言で対象となった都道府県の知事は強制力を伴う選択肢を持つことになる。一つは感染者急増に対応する臨時医療施設の開設で、適地か確認するために土地・建物への立ち入り検査を実施し、所有者の同意なしに同施設として活用できる。

 立ち入り検査を拒むなどした所有者らには、30万円以下の罰金が科される。緊急時のため、同施設は医療法、消防法、建築基準法などの規制は適用されない。

 医薬品や食品などの製造業者らに商品の売り渡しを要請できるほか、保管を命じたり、強制収用したりすることも可能となる。物資を隠したり捨てるなどした場合、6月以下の懲役または30万円以下の罰金を科されるとの規定がある。

 臨時医療施設開設、商品確保の措置で事業者らに生じた経済的損失に対しては国、自治体に補償が義務付けられている。

 同法が想定する他の措置は強制力を伴わない。学校、保育所、老人福祉施設の使用制限や停止についてはお願いベースの「要請」や、罰則の伴わない「指示」にとどまる。大人数が集まり、感染拡大リスクがあるとされるイベントの中止も要請・指示となる。

 不要不急の外出自粛は要請にとどまる。同法では緊急事態宣言の有無にかかわらず、鉄道事業者ら指定公共機関との「総合調整」を実施し、運行停止を要請することは可能だが、運行を止める直接的な権限はないとされる。

 感染症法では、集団感染が起きた場所などで周辺の立ち入り制限を可能にしているが、消毒作業などを目的としており、期間は72時間以内。都市全体の封鎖は想定されていない。

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