さらに、家計簿だけで1年間の本当の貯蓄額を知ろうとした場合、日々の支出のほかに自動車税や固定資産税などの各種税金、年末年始の帰省費用、家電の買い替え費用といった特別支出についても、もれなく記録していかなければなりません。いっぽうの貯金簿では、特別支出の支出も銀行口座の残高に反映されていますので、特別支出の記帳をしなくても、年間の貯蓄額がつかめます。
貯金簿は通常、ボーナスのある会社員はボーナス月に年に2回程度、記帳すればOKですが、コロナショックで収支に変動が出ている今は、昨年12月末、今年の2月末、そして4月末と、2カ月ごとに記帳することをおすすめします。2カ月ごとに記帳すると、コロナウイルスの影響を受けた期間の収支が家計簿なしでつかめます。できれば6月末にも継続して記帳することをおすすめします。
あえてノートで パスワード帖の作成もおすすめ
貯金簿は将来に向けての貯蓄額を把握できるだけではなく、「昨年の12月末」というように、過去の期間の貯蓄も把握できます。通帳から該当する時期の残高を調べたり、運用商品は過去の推移のページから、該当時期の時価を調べましょう。
ちなみに貯金簿は、ノートを利用して作成することをおすすめしています。今はまだ健康でも、50代や60代、あるいはもっと高齢になった時に、ネットだけで管理していると、脳の病気などでいきなり意思を伝えられなくなることも考えられます。銀行口座があることを家族が知らずに、休眠預金になってしまう可能性もあります。そんな時に貯金簿があれば、銀行や証券会社にいくらあるのかを、家族は簡単につかめるのです。
私は貯金簿のほかに、「パスワード帖」も作成しています。そしてパスワード帖には、パスワードをそのまま書くのではなく、「10ケタの〇〇〇〇」といったように、自分と家族だけが判る暗号のような記入方法を用いています。パスワード帖を作っておくと、ネットでの金融取引に役立ちますし、パスワードそのものは書かないことで、貯金簿とパスワード帖をまとめて盗まれるリスクにも対応できます。
新型コロナウイルスで、先々の暮らしが見渡しにくくなった今こそ、現在と将来の家計収支を数字でつかむことの重要性を認識する必要があるのではないでしょうか。
【新時代のマネー戦略】は、FPなどのお金プロが、変化の激しい時代の家計防衛術や資産形成を提案する連載コラムです。毎月第2・第4金曜日に掲載します。アーカイブはこちら