教育・子育て

子育て中の親「購入控えて」 ガーゼに哺乳瓶消毒液…赤ちゃんグッズ品薄

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、赤ちゃん用のガーゼ類や消毒液などが品薄となっている。布マスクの材料など、不足する日用品や衛生用品の代用として使用されているとみられ、購入制限を行う専門店も出ている。妊婦や乳幼児を育てる親からは「必需品の購入は極力控えて」という声が上がっている。(小林佳恵)

 「(肌への刺激が少ない)赤ちゃん用のウエットティッシュが手に入りづらい。他のものでは子供の肌がかぶれることがあるので、見つけたら買うようにしている」。生後7カ月の長女を持つ埼玉県草加市の女性会社員(32)は不安の色を浮かべる。

 女性は外出を控え、子供に必要なものはネット通販などで購入しているが、一部は在庫がないか、あっても高額で手が出ないことも。近所の店でも入手できず、「小さな子供がいると何軒も店を回るのは難しく、今後も必要なものが手に入るか心配。皆が大変な時期なのでやむを得ない場合もあると思うが、必需品は極力残してほしい」と訴えた。

 ベビー・子供用品専門店の西松屋チェーン(兵庫県姫路市)によると、3月頃からガーゼ類の売り上げが伸び始め、全国の店舗で購入個数を制限している。ほかには、ガーゼ素材の妊娠帯▽消毒用のアルコールジェル▽体温計-などが全国的に品薄になっているという。

 西松屋チェーン江戸川本一色店(東京都江戸川区)でも、ガーゼ類のコーナーに、「ハンカチや沐(もく)浴(よく)以外の用途でのご購入はお控え願います」との掲示があった。店長の藤井宏明さん(41)によると、同店ではガーゼハンカチは「入荷すると1週間以内に売り切れる」という。

 ガーゼハンカチを使った手作りマスクの作り方がインターネット上で拡散していることなどから、不足する布マスクの材料として購入するケースもあるとみられる。

 妊婦から「いつ入荷するのか」といった困惑の声も寄せられ、藤井さんは「必要な方に商品を届けられず、申し訳ない気持ちでいっぱい。引き続き供給量を上げられるよう努力をしていく」と話す。

 赤ちゃん本舗(大阪市)が運営する「アカチャンホンポ」各店でも、ガーゼ類や消毒・除菌関係の商品は品薄の傾向で、沐浴ガーゼなどの商品の購入個数を制限しているという。

 杏林製薬(東京都千代田区)が製造、販売する哺乳瓶などの殺菌消毒液「ミルトン」も品薄に。インターネット上でアルコール消毒の代用品として紹介されたことなどが影響した可能性がある。

 同社では3月中旬から出荷量を調整して対応しているといい、担当者は、「メインの用途は哺乳瓶類の消毒で、こうした目的で必要な方が困らないよう努めている。薄めれば手指にも使えるが、手荒れが起こる恐れがあり、頻繁な使用は勧めない」と話している。

Recommend

Biz Plus

Ranking

アクセスランキング