書評

『戦後「社会科学」の思想』森政稔・著 現代につながる価値観の変遷

 閉塞(へいそく)感が漂う現代日本。下手をすれば左右の全体主義やポピュリズムに陥る危険に満ちている。ここで必要なのは「現代」という時代の重層的な理解である。それができない限り、より良い未来を切り開くことなど不可能であろう。

 その課題にこたえようと、著者は戦後史を4期に区切り、同時代の世界の動向と関連付けながら、戦後的価値や制度がどのように持続・変容し、「現代」につながっていったのかをクリアにする。中立の視点で読み直された丸山眞男、鶴見俊輔、松下圭一、廣松渉らの思想には新鮮な発見もある。(NHK出版、1600円+税)

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