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車内から焼香、香典はカード決済 コロナ禍で葬儀が簡素化
よりそうの担当者は、コロナ禍の前から葬儀の形は変化しつつあったとし、「かつては多くの関係者を招いたが、昨今は親族に限るなど小規模化が進んでいた」と指摘。コロナの影響は、通夜や告別式に加え、会食も実施しないなど「簡素化」に拍車をかけているとの見方を示した上で、こう強調した。
「葬儀の形式や在り方が変わっても、故人をしのぶ気持ちが変わることはない。新しい見送り方を今後も検討していきたい」
業界に経営難の波
葬儀業界にも新型コロナウイルスによる経営難の波が押し寄せている。
東京商工リサーチによると、葬儀会社「式典さがみの」(相模原市)は3月、約2億円の負債を抱えて倒産した。新型コロナの感染拡大で高齢の参列者が集まる葬儀の延期や中止が相次いだためとしている。
「浄邦(じょうほう)堂」(宇都宮市)は、以前から市内で他業種からの葬儀業参入が続き、葬儀単価の下落に直面。コロナ禍でさらに競争が激化し、5億2千万円の負債を抱えて4月、倒産した。
関連企業にも余波が広がる。パーティーやイベント、記念式典向けにケータリングサービスを展開していた「松田商事」(栃木県小山市)は近年、葬儀向けのケータリングの需要が収益を支えていた。しかしコロナ禍で会食を自粛するケースが増加し、4月に事業継続を断念した。