新時代のマネー戦略

「年100万円の貯蓄力」と「高い幸福度」 データが示す家計簿男子の底力

カクワーズ
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 コロナ禍によって、多くの人が収入に不安を抱えています。この先の収入減に備え、「節約しなくては」「副業を始めたい」などの声が高まっていますが、あえて注目したいのが家計管理の基本、「家計簿」です。

 今年7月にアンケート調査(※1)を実施したところ、男女とも家計簿をつけている人は、つけていない人に比べて貯蓄額(世帯)が高めであることがわかりました。さらに、現在の生活に対する満足度も高いということも明らかになりました。

 つまり、家計簿をつけている人は、同じようにこのコロナ禍に突入していても、金銭的にも精神的にも余裕があるということです。そして、その傾向は男性でより顕著でした。

 普段から家計を把握していれば、万が一収入が減った際にも、何をどのくらい調整すればよいか即座に検討できます。不安をムダに増幅させずに済むので、冷静さを保て、誤った判断を防ぐことも可能。より速やかに効率よくピンチを切り抜けるために、家計簿は地味に威力を発揮するのです。

 今回は、家計簿をつけている人、つけていない人のデータを見比べ、家計を把握することの大切さを考えてみたいと思います。

家計簿をつけている人は4割 男女でスタイルに差

 そもそも家計簿をつけている人はどのぐらいいるのでしょうか。今回、調査対象とした20歳~64歳の男女900人全体では、「家計簿あり(家計簿をつけている)」と回答した人が43.1%、「家計簿なし(家計簿をつけていない)」は56.9%で、家計簿をつけていない人のほうが多い結果となりました。

 家計簿をつけていると回答した人の割合を「家計簿率」とすると、それが最も高かったのは既婚女性で52.3%でした。ただし、男女差はそこまでなく、男性も未婚・既婚を問わず約4割が家計簿をつけています。

 家計簿のスタイルは、女性は「手書き」のアナログ派が多め。未婚男性は「アプリやPC」のデジタル派が主と、違いがありました。

家計簿をつける男性は、「年100万円以上」貯まりやすい?

 今回の調査で、家計簿の有無により大きく差がついた結果のひとつが「貯蓄額」です。「家計簿あり」の人が、最近1年間にそれぞれの世帯で貯蓄できた額は平均72.4万円だったのに対し、「家計簿なし」の人は平均54.9万円。家計簿をつけている人の貯蓄額は、つけていない人のそれを20万円近くも上回っています。

 この結果をもう少し詳しく見ていきましょう。調査では、「世帯」としての最近1年間の貯蓄額(※2)を尋ねたため、未婚・既婚でそもそもの貯蓄額に差が出ることが予想されます。

 そこで、男女・未既婚別に「家計簿あり」と「家計簿なし」で人を分け、貯蓄額がどのぐらい違うかを比較しました。その結果、まず分かったのは、性別や未婚・既婚に関係なく、「家計簿あり」の平均貯蓄額が総じて高いということです。つまり、家計簿をつけることで貯蓄が伸びる可能性は、誰にとっても十分にあるということです。

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