ライフ
悩みひとりで抱えないで 自殺者増加兆候 厚労省は相談強化
■コロナ禍、相談深刻化
都道府県などに設置された窓口に寄せられる相談内容は4月以降、深刻さが増している。新型コロナウイルスの流行長期化が影響している恐れもあり、関係者は「不安があれば相談してほしい」と呼びかける。
東京都立中部総合精神保健福祉センター(世田谷区)への新型コロナ関連の相談は4~5月に急増。感染拡大時期と重なり、政府の緊急事態宣言発令直後は「外出するのが怖い」と感染不安が強かった。自粛生活が長引いた5月になると「家族が在宅勤務となり、イライラする」「鬱と診断された」などと身の回りの変化への戸惑いが深まった。
夏以降は不眠や耳鳴りなど身体的不調を訴えるケースが目立ち始め、「鬱になって、リストカット(自傷行為)をしてしまう」「自宅から出ないような環境となり、ストレスで身体症状が出ている。つらくて死にたい」などと具体的に追い詰められた内容の報告も相次いでいる。
同センターの担当者は、「コロナ禍で雇用が失われたり、自粛生活を余儀なくされたりし、多くの人が追い詰められやすい環境に置かれている」と分析。9月に入っても相談内容は深刻化の傾向にあるという。