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鴨川シーワールド 開業50周年迎える 地域とともに、未来を見据えた新たな歩み

 千葉県鴨川市の海沿いに広がる日本有数の水族館「鴨川シーワールド」が、10月1日に節目となる開業50周年を迎える。長年にわたる海の生き物とのかかわりは、繁殖など「種の保存」の技術・ノウハウを豊富に蓄積し、レクリエーションの場であるとともに学びの場としての機能も高めている。地元はこうした姿勢を歓迎しており、運営会社・現場スタッフと協力し、より充実した生命の躍動空間を創り出そうとしている。鴨川シーワールドはこれからの時代の要請に応えるべく、新たな歩みを始める。

将来を見据えアカデミックな研究に軸足

 多様な要望に応え、大人も楽しめる水族館へ

 鴨川シーワールドの特徴の一つは、広い敷地面積を生かし、豪快な海獣のパフォーマンスが楽しめることだ。なかでも巨大なシャチが空中に飛び上がり、大歓声のなか大量の水しぶきをあげて着水するさまは圧巻だ。飼育動物は約800種、1万1000点におよび、開業以来、学術研究をはじめとした水族館の本来的な役割を一貫して追求してきたことも見逃せない点だ。2018年には世界で初めてオウサマペンギンの人工授精での産卵・孵化に成功し、こうした数多くの実績が世界から注目を集める要因になっている。

 水族館は今、大人も楽しめる娯楽施設として人気が高いが、入館者を安定して確保するためには独自色を打ち出す必要にも迫られている。開業して半世紀を経た鴨川シーワードは今後、どういう進路を選択するのだろうか。

 同水族館を運営するグランビスタ ホテル&リゾート(東京都千代田区)の親会社でデベロッパーのサンケイビル(同)の取締役常務執行役員、遠藤健氏は「鴨川シーワールドが持つエンターテインメントにエデュケーションの要素を加えた〝エデュテインメント〟として、これからはもう少しアカデミックに踏み込んで展開していきたい」と明言する。この背景には、水族館を訪れる顧客に占める大人の割合が増し、求めるニーズも多様になっていることがある。人によっては来るたびに違う表情を見せる生き物にワクワクし、人によってはクラゲが浮遊する神秘な世界に魅了されたりする。

 遠藤氏は「ごく普通の楽しみ方を求める層の要望に応えるのは当然だが、これからは本物志向の多様なニーズも満たしていく必要がある。だとしたら鴨川シーワールドの強みである優れたスタッフによる研究力・飼育技術力を高めていくことが長い目で見て将来の事業強化につながっていくとの判断だ」と説明する。

 これに加えてもう一つの理由がある。サンケイビルは神戸市の市立須磨海浜水族園(須磨区)など海浜公園一帯を再開発し、一大リゾート地に生まれ変わらせる大規模プロジェクトを企業グループの代表企業として受注。新設の水族館ではイルカと触れ合えるラグーンやシャチがパフォーマンスをするプールなども設けられる。水族館としては西日本で最大規模になるという。このプロジェクトを成功させるためには繁殖、飼育にとどまらず、野生動物保護や環境保全などを含めた総合的な水族館運営の知見が求められる。そのためにも鴨川シーワールドの高水準な技術力をさらに高めていく必要があるというわけだ。

地域活性化へ鴨川市との連携 一段と深める

 強みの洗練されたホテル事業のノウハウも取り込む

 鴨川シーワールドと鴨川市の関係で特筆すべきことは、共に支え合う強固な関係が長年にわたって続いていることだ。鴨川市の亀田郁夫市長は「地方創生が叫ばれるなか、市にとってシーワールドは非常に大きな存在だ。観光(経済)、教育、環境、防災など多くの面で計り知れない効果がもたらされている」と言い切る。一方、鴨川シーワールドの勝俣浩館長も「市は私たちのことを政策や戦略の中心に近い部分に位置付けてくれている。大変ありがたいことであり、今後も地域とのつながりを大切にして活動をしていきたい」と話す。

 鴨川シーワールドはこれまでも無料で入館できる市民DAYの開催やウミガメ移動教室の開講、成人式会場の提供などさまざまな地域貢献を行ってきた。また、台風などの自然災害対策にも協力し、被害を受けた防波堤の工事について県に積極的な働きかけを行うなど、迅速に対処してきた。そうしたなか、市と鴨川シーワールドは昨年、新たな連携協定を締結した。これまでの関係を一段と深化させ、子育て支援などにも踏み込もうというものだ。具体的には子供が誕生した家庭に年間パスポートや新生児サイズのシャチのぬいぐるみがプレゼントされるなどの新たな支援策がスタートした。

 亀田市長は「私たちも行政という枠組みのなかで可能な限りの応援をしていきたい。市内には県内有数の大型医療機関があり、この地を訪れることには何となく安心感がある。そのためにもシーワールドも充実した学術研究など優位点を生かす形でブレのない運営をしていただきたい」と要請する。

 これに対し勝俣館長は「人間と自然環境との接点が薄れてきている気がする。動物福祉に配慮しつつ、50年を迎えた今後は野生動物や自然と人間との接点となれるよう、その役割を果たしていきたい」と強調する。

 鴨川市内では現在、60歳以上のシニア向けサービス付住宅の建設が始まるなど、社会の変化を映した波が及んできている。水族館もこうした時代の変化に対応する必要がある。そこで併設の鴨川シーワールドホテルでは、運営会社であるサンケイビルの子会社、グランビスタ ホテル&リゾートがもつホテル事業のノウハウを有効活用。シティーホテルが売り物とする洗練された質の高いサービスを提供しているほか、レストランでは大人を満足させるメニューの提供など、目に見えない部分での改善を着々と推し進めている。

 鴨川市と鴨川シーワールドの協力関係は、これからの地域と水族館のあるべき姿を示していると言えそうだ。

 鴨川シーワールド

【所在地】千葉県鴨川市東町1464-18

     TEL 04-7093-4803

【開  業】1970年10月1日

【敷地総面積】約5.5ヘクタール

【飼育・展示動物】約800種1万1000点

【営業時間】日によって異なります

      (詳細は公式サイトで最新情報をご確認ください)

【運営会社】グランビスタ ホテル&リゾート

      (サンケイビル100%子会社)

【併設施設】鴨川シーワールドホテル

サンケイビル

(提供 株式会社サンケイビル)

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