創業135周年の老舗、釜めしを製造・販売する荻野屋にとってコラボ企画は願ってもない機会。荻野屋の担当者は「これまでは年配の方を中心に釜めしを買っていただいていたが、これを機にファミリー層や若者にも興味を持っていただけたらありがたい」と語る。これまでも人気漫画「頭文字D」の作者、しげの秀一氏やイラストレーターのバーニア600氏らが掛け紙をデザイン。こうしたコラボ企画が購買層の拡大に役立っているようだ。
「コンテンツ力」が旅へといざなう
近年、アニメと鉄道のコラボ企画は広がりを見せている。熱い視線を集めたのが、人気アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」をイメージしたJR西日本の500系山陽新幹線こだま号だ。アニメに登場する人型兵器「エヴァ初号機」をモチーフに、車体には紫色に蛍光色の黄緑色のラインが引かれた塗装が施された。当初は2017年3月に終了を予定していたが、訪日外国人観光客にも好評を博し、2018年5月まで運行が延長された。
千葉モノレールではテレビアニメ「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。完」とのコラボ企画でラッピング列車の運行を開始。今後はオリジナルグッズの販売やキャラ声優による車内アナウンスの実施も予定しているという。京都の叡山電鉄では展望列車「きらら」と芳文社発行のまんが雑誌「まんがタイムきらら」との “きらら” つながりでコラボ企画を行い、アニメ「マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝」などのキャラクターが描かれたヘッドマークがファンを喜ばせている。
近畿大学の岡本健准教授(観光学)は鉄道とアニメのコラボについて、「アニメのコンテンツの力によって旅行客が動くということが目立っている。コンテンツを愛している人が作品と関連する場所に行きたいと思い、普段は行かないような場所にも行くようになる」と指摘する。
アニメとのコラボにより、これまで認知していなかったものに関心が向くようになる。岡本准教授は「コラボ企画によって、普段は届けられない客層にリーチする良いきっかけになる。アニメから知って(鉄道や駅弁などの)元ネタの文化に興味を持つことにもつながっている」との見方を示す。