ヘルスケア

安全で有効なワクチンを自国で 国産ワクチンの製造設備強化進む

 一方、国内企業で最初に治験に着手した製薬ベンチャー、アンジェスは今月、偽薬を用いながらワクチンの安全性、有効性を確かめる第2段階の治験にこぎつけた。次の最終段階の治験は来年以降に行う見通しで、成功すれば認証機関に申請して実用化される。

 一方、日本政府は国内での接種を進めるためにファイザーと1億2千万回分(6千万人分)、英アストラゼネカと1億2千万回分、米モデルナと5千万回分の供給で合意している。海外勢に比べ、国内開発が後塵(こうじん)を拝していることは否めないが、アンジェスの広報担当者は「ひとたび世界的大流行が起きれば、自国供給が優先されるのが道理。海外企業に比べ開発の遅れは生じるが、国内で開発する意義は依然大きい」と話し、今後も開発と生産設備体制の構築を進める方針だ。

 また、塩野義製薬の手代木功社長も国内企業が複数の新技術でワクチンを開発、製造することについて「国の安全保障上、重要なこと。国がそういった技術基盤を整える枠組みが必要だ」と訴える。アンジェス創業者の大阪大学の森下竜一・寄付講座教授も「ワクチンは効果や副反応を長期的に確かめる必要もある。二の矢、三の矢となる複数種類のワクチンが開発されるべきだ」と説き、国民への供給を支える生産体制についても「設備構築だけでなく、維持にも国の支援が必要だ」と指摘している。

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