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家族や知人が4割、飲食店は数% 年末年始コロナ感染経路を静岡県が分析

 静岡県が年末年始(昨年12月20日~1月12日)の県内の新型コロナウイルス感染事例を分析したところ、感染経路が判明したうち、4割が家族や知人、友人など「親しい人」との接触からだったことが分かった。

 この間の静岡県内の感染者1073人のうち、経路不明(325人)、詳細不明の陽性者との接触(220人)を除く528人の分析によると、病院と福祉施設のクラスター(感染者集団)が計238人(45・1%)、家族内感染が142人(26・9%)、県外からが84人(16・0%)などだった。

 病院などが多いのは、昨年12月から富士市立中央病院や静岡徳洲会病院(静岡市駿河区)のクラスターが収束していない影響。他方、職場(16人、3・0%)、知人・友人(29人、5・5%)、家庭内感染を合わせると約4割が「親しい人」との接触だった。

 時短営業が要請されるなど感染者発生源とみられることが多い飲食店関係は、年末年始の静岡県内では経路が判明したうち19人(3・6%)、クラスター感染者中でも7・3%だった。

 こうしたことから川勝平太知事は14日の会見で「帰省などによる家庭内感染や友人間での感染が、年始に職場や施設に持ち込まれて2次感染、3次感染を引き起こしていると推測される」と分析していた。

 県疾病対策課は「年末年始は約70%の感染経路が追えており『市中感染』とはいえない」とし、「(現在は)飲食店クラスターの発生は散発的で、むしろ職場や集団生活、日常の飲食の場での感染が多い」と推測。家庭や職場を含む「飲食の場」全般での感染防止が必要で、とりわけ、マスクを着用しないままの食事中の会話で感染が広がると考えられる、と強調する。

 16日に大学入学共通テストが始まることから、県は「受験生らは改めて感染拡大防止対策を徹底してほしい」とも呼びかけている。

 【感染経路別の静岡県の新たな対策】

 ■家庭内感染防止対策

・家庭内感染防止対応マニュアルを作成

・飲食店などに対し、利用客の接触確認アプリ「COCOA」の導入確認を強く要請

・国のスケジュールに合わせて始まるワクチンの接種を推進

 ■医療機関や福祉施設のクラスター対策

・これまでのクラスターを分析した対策事例集を全施設に配布

・クラスターが発生した福祉施設の職員不足に対応するため、支援チームを設置、派遣

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