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コロナ後は中国による「日本製痛風サプリ」の爆買い発生?

筑前サンミゲル
筑前サンミゲル

 コロナ禍で痛風サプリ枯渇?

 今秋から年明けにかけて、ちょっと意外なものを複数回、中国へ国際発送した。送ってほしいと依頼されたのは尿酸値を下げるサプリメントだった。「DHC」や「ファンケル」などが発売する、いわゆる痛風対策サプリだ。これらは機能性表示食品なので誰もが買うことができる。

 日本の痛風サプリが以前から人気が高いのは聞いていた。それが秋になって相次いで連絡をもらったのは、どうやら日本への入国が制限されて1年近くが経過し、予備にと多めに買い込んでいた痛風サプリが枯渇してしまったようだ。

 日本での痛風患者はおよそ100万人とされる。近年、中国でも痛風患者が急増しており、約1600万人が痛風患者という。人口比で考えると、すでに中国は日本を超える水準まで増えていることが分かる。

 中国で痛風患者が増加している要因は、高度経済成長により都市部を中心に中間層が増え食生活が豊かになったことや、都市化と第3次産業が主流となったことによる運動不足などが挙げられる。

 痛風治療を劇的に変えた日本の医療用医薬品「フェブリク」

 痛風発症後の治療法は日本も中国も基本的に薬物療法となる。しかも治療期間は長期間におよぶ。

 コロナ前まで中国人富裕層向けのがん検診や女性をターゲットにした医療ツーリズムを手掛けていた都内の会社は、現在、日本の化粧品やサプリ、日常品などを中国へ発送し、ECサイト販売を行ってコロナを乗り越えようとしている。

 「痛風治療や生活改善アドバイスをしてくれる医療ツーリズムをしてほしいという声をいただいています。中国は昨年2月から4月にかけてロックダウンで厳しく外出制限された都市が多く、日本同様にコロナ太りが社会問題になっています。コロナが収束したら痛風治療ツーリズムを企画しようと考えています」(医療ツーリズム企画会社)

 前出の会社は、痛風治療と生活改善アドバイスに観光をパッケージにした3泊4日程度のツアーを考えているという。

 日本も痛風患者は増加傾向にあるが、実は、日本は痛風治療の最先端の国とされる。日本の痛風治療を劇的に変えたと言われるのが「帝人ファーマ」が2011年に発売した「フェブリク」という薬の存在がある。

 痛風は発症原因が複数あるので必ず効果があるわけではないが、現在、多くの病院で痛風治療に使われている。

 中国でも現地生産しているが…

 このフェブリクも日本で治療したい中国人痛風患者にとって魅力なのかと思ったら、フェブリクは2019年に中国で正式承認されて発売されている。日本と違い、ECサイト「淘宝網」などで処方箋を提出して買うことができる。日本より購入ハードルは格段に低い。

 では、わざわざ日本で医療機関を受診してまで薬を手に入れなくてもいいかと思うのだが、現地生産版とはいえ、同じ会社が発売しているにも関わらず、あまり信用していないというのが背景にあるという(錠剤の色が違うのも一因か)。

 「中国では日本製の紙おむつや粉ミルクが人気ですが、多くが中国で現地生産されて日本より安く販売されています。それでも信用できず、2~3倍高くても日本で発売しているものを買い求める人が多くいます」(同)

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