ワクチンここが知りたい

「皮下注射」ではなく「筋肉注射」、いつもと何が違う?

 米製薬大手ファイザーの新型コロナウイルスワクチンの接種は、皮膚に対して垂直に近い角度で針を刺す「筋肉注射」と呼ばれる方法が用いられる。痛みはあるのか。国内で広く行われている「皮下注射」では対応できないのか。方法の違いに関心を抱く読者も多い。実際に接種を受けるなどした医療関係者らに聞いた。

 19日、国立病院機構大阪医療センター(大阪市中央区)で実施された医療従事者向けの先行接種。職員の赤井太地さん(40)は左肩に注射を受け、「チクっとしたが、皮下注射との違いはよく分からない。インフルエンザの予防接種の方が痛かった」。痛みには個人差があるが、ほかの職員も「痛くない」と口をそろえた。

 日本での予防接種は、皮膚に対して斜め30~45度に浅く針を刺す皮下注射が主流だ。これに対し、筋肉注射では皮下組織の下にある筋肉に針が届くように深く刺す。

 同センターでは、整形外科の医師らが筋肉注射の注意点をほかの医師らにアドバイス。(1)皮下脂肪が薄い場合は45~60度の角度で(2)厚い場合は垂直に(3)皮膚を押さえ、脂肪のたわみを無くす-などのポイントを伝えた。

 ワクチンの臨床試験は筋肉注射で実施されており、皮下注射では有効性と安全性が変わる可能性がある。また、一般的に筋肉注射の方が副反応が小さく、免疫がつく効果も皮下注射と同等か、それ以上という評価もあるという。

 産経新聞は新型コロナウイルスのワクチン接種に関する疑問・質問を募集します。ikencorona@sankei.co.jpまでお寄せください。

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