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シルクロードの「王の食卓」浮かぶ 食料庫を発掘 

 8世紀初頭に焼失したウズベキスタンのシルクロード都市遺跡「カフィル・カラ城」で王の宴に供したとみられる食料庫跡が見つかり、帝塚山大(奈良市)などでつくる調査団が5日発表した。ワインやオリーブオイルを保管していたと推定される甕(かめ)や、雑穀のアワ、ニンニクなどの炭化物が見つかり、同大は「『王の食卓』を再現する手がかりとなる」としている。

 遺跡は中央アジア最大のシルクロード都市があったサマルカンドに位置し、王の離宮とみられている。

 食料庫跡は王の玉座があったとされる場所の隣で発見された。幅約3メートル、奥行き約11メートル、高さ約3メートルの細長い2階建ての構造。1階には少なくとも13基の大(おお)甕(がめ)が並んでいた。甕の中の炭化物の付着状態からオリーブオイルやワインが入っていたと推定されるという。

 奥は板壁とドアで仕切られ、ムギやアワ、マメ、ニンニク、クルミなどの炭化物が見つかった。蜂蜜を入れたとみられる容器や木製鉢もあった。

 これまでに周辺ではヒツジの骨などが見つかっており、王の食卓にはヒツジの肉やワイン、アワ、マメ、ニンニクなどを使った食事が並んでいたと考えられるという。

 帝塚山大の宇野隆夫客員教授は「王の食卓を再現できる材料を得ることができた。ゾロアスター教の特色である歌舞音曲が伴う食卓だっただろう」と話している。

 調査は現地の考古学研究所と共同で同大などが2019年9月に実施した。

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