ヘルスケア

仏独伊などアストラゼネカ製の接種見合わせ EU医薬品庁、緊急会合へ

 【パリ=三井美奈】英アストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチンをめぐって15日、ドイツ、フランス、イタリア、スペインが相次いで接種を一時中断すると発表した。接種後に血栓ができる症例が、欧州で複数報告されたための措置。欧州連合(EU)で薬事審査を担う欧州医薬品庁(EMA)は18日、対応をめぐって緊急会合を開く。

 ドイツのシュパーン保健相は15日の記者会見で、国内で接種者に血栓の症状が確認されたと述べ、接種中断は「あくまで予防上の措置」だと強調した。マクロン大統領は15日、各国の動きを受け、EMAの対応が決まるまで接種を中断すると述べた。スペインは2週間程度、接種を見合わせるとしている。

 欧州ではすでに、デンマークやオランダ、ノルウェー、オーストリアなどが同社製ワクチンの接種の一時中断を発表している。EMAは15日、ワクチンと血栓の因果関係は現状では見られないとしたうえで、情報を再検討すると発表した。現段階では、接種を推奨する立場に変わりはないとしている。

 一方、英国の医薬当局は15日、国内で同社製ワクチンは1100万回以上接種されたが、「血栓発症者の割合は通常より高くない」として、接種は継続すべきだという立場を示した。

 同社製ワクチンについては、日本でも承認申請を受け、厚生労働省が審査している。

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