ヘルスケア
「コロナ撲滅宣言」のタンザニア大統領が感染の観測 SNS上で飛び交う
【カイロ=佐藤貴生】東アフリカ・タンザニアのマグフリ大統領(61)の動静が途絶えて2週間以上が過ぎ、新型コロナウイルスに感染して重症化し、海外で治療を受けているとの観測がSNS(交流サイト)で飛び交っている。同氏はコロナ感染症の危険性を認めず、世界保健機関(WHO)が懸念を表明、対策を講じるよう求めていた。
ロイター通信などによると、マグフリ氏は2月27日を最後に公の場から姿を消した。同国の首相は今月12日、「大統領は元気に激務をこなしている」と述べ、感染したとの見方を否定した。
同国の野党指導者はマグフリ氏がコロナに感染して重症化し、隣国ケニアやインドで治療を受けていると主張。ケニア紙は先週、「あるアフリカの指導者」がコロナに感染して首都ナイロビの病院で治療を受けていると伝えた。
マグフリ氏は昨年、「コロナ撲滅」を宣言して感染者・死者数の公表を停止。キリスト教会やモスク(イスラム教礼拝所)での礼拝を奨励し、ワクチンも「危険だ」として輸入していない。しかし、先月には検査で陽性反応が出た政治家が死亡し、保健当局がマスク着用や手洗いを呼びかける事態となっている。