受験指導の現場から

予習する子の成績が伸び続けるメカニズム 大人になっても続く好循環とは?

吉田克己
吉田克己

 事実としては〈1/2〉になるのであるが、その理由を下手なたとえ話でごまかさず、小学5・6年生に納得のいく(理解できる)合理的な説明ができる講師は、筆者の知る限り稀である。

 かつて筆者が所属していた塾は研修が盛んで、模擬授業の題材に何度か豆電球回路が取り上げられたが、校長クラスでもこの点は(うまく説明できないので)スルーしていた。で、筆者はというと、何年ものあいだ、その単元が来る度に考え続けた結果、筆者の現在の説明の仕方に至っている。

自発的に予習させるためのひと工夫

 最後に、自発的に予習させるための一つの工夫として、筆者の場合、いい質問が出たときには、生徒が手を挙げて正解したときよりも、大袈裟に生徒を持ち上げている。「いい質問だねえ~」「いいところに気が付いたねえ!」などと。そのときの生徒のにんまりとした顔、照れ臭さとドヤ顔が交ざったような顔が、えも言われぬのである。

京都大学工学部卒。株式会社リクルートを経て2002年3月に独立。産業能率大学通信講座「『週刊ダイヤモンド』でビジネストレンドを読む」(小論文)講師、近畿大学工学部非常勤講師。日頃は小~高校生の受験指導(理数系科目)に携わっている。「ダイヤモンド・オンライン」でも記事の企画編集・執筆に携わるほか、各種活字メディアの編集・制作ディレクターを務める。編・著書に『三国志で学ぶランチェスターの法則』『シェールガス革命とは何か』『元素変換現代版<錬金術>のフロンティア』ほか。

受験指導の現場から】は、吉田克己さんが日々受験を志す生徒に接している現場実感に照らし、教育に関する様々な情報をお届けする連載コラムです。受験生予備軍をもつ家庭を応援します。更新は原則第1水曜日。アーカイブはこちら

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