大阪府内24市町が「12~15歳の学校接種なし」明言
12~15歳を対象にした新型コロナウイルスのワクチン接種をめぐり、学校での集団接種を「実施しない」と明言している大阪府内の自治体は大阪市や東大阪市など24市町に上ることが9日、産経新聞のアンケートで分かった。国が「現時点では推奨しない」とする通知を出していることも影響している。一方、岬町でこの日から個別接種が可能になるなど、多くの自治体が個別・集団接種の準備を進める。ただ、保護者らへの配慮から実施を慎重に見極めようとする市町村もある。
堺市は、12~15歳を対象にした接種について、個別接種や集団接種で対応し、学校での集団接種は行わない。担当者は「ワクチンを打たない生徒への偏見、保護者の同意をどう得るのかなど課題点を考えると、慎重にならざるを得ない」と説明する。
貝塚市は、文部科学省が「推奨しない」としたことを踏まえ、学校での集団接種を実施しない。同市教育委員会の担当者は「生徒の間で接種への同調圧力が生まれる可能性がある。生徒や家庭によってワクチンへの考え方や体調も違う。医療機関での個別接種や学校以外での集団接種の体制を整えており、学校では必要ない」との認識を示す。岸和田市の担当課も「任意接種にもかかわらず、学校での接種は打つ、打たないが生徒同士で分かってしまう。保護者の同意も求められるなど、実施に向けたハードルが高い」と慎重姿勢を示す。
12~15歳への接種をめぐっては、5月31日に厚生労働省の専門分科会が米ファイザー製の接種対象年齢を12歳以上に引き下げたことを受け、可能となった。府内では、43市町村のうち25市町村が接種実施を決めている。交野市は、16歳以上の年齢層と区別せず、時期は未定だが個別、集団接種を実施。羽曳野市は、12~15歳の接種券を7月中に発送する予定で準備を進めている。
一方、大阪市が「検討中」と回答するなど、18市町村が「検討中」「未定」と態度を決めかねている。
アンケートは6月下旬、府内43市町村に聞き取りまたは書面で回答を求めた。