ヘルスケア

給食時間だけの登校OKも 学校の感染対策

 新型コロナウイルスの感染が子供にも広がる中、学校現場では給食の時間も対策が求められる。配膳の感染リスクを減らすため、パンと牛乳などの簡易な給食にする学校もあるが、保護者らからは「栄養が乏しい」「量が少ない」といった声も上がる。感染対策と、成長期の子供の栄養を両立させるため、学校関係者の試行錯誤が続いている。

 会話せず黙々と

 東京都西東京市の保谷(ほうや)第二小学校の2年2組の教室。16日午前、通常より早く給食の時間が始まった。この日のメニューはミートソーススパゲティと牛乳。廊下にはあらかじめお皿に盛られたスパゲティが並べられ、児童は受け取って自分の席に戻り、順に食事を始めた。全員が前を向いて無言で食べる。日直の「いただきます」の号令や、班で楽しくしゃべるような給食の風景はない。

 西東京市の小中学校では感染防止のため、6日から小学2年以上はオンライン授業を実施。ただ、給食の時間のみは登校を認め、学校で昼食を取れる。

 通常は午前の授業は4時間目までだが、オンライン授業実施期間中は3時間目で止め、4時間目は登校の時間に当てる。密を避けるためクラスを半分に分け、給食の時間を2部制とした。8~9割ほどの児童・生徒が給食を食べに登校しているという。

 市教育委員会の荒木忍・統括指導主事は「昼食を用意するのが難しい家庭もある。子供たちが困らないようにしたい」と話す。この取り組みを始めて1週間。子供からは「給食の時間だけでも友達や先生に会えると安心する」といった声もあるという。

 感染リスクを抑えるため、通常より簡易な給食にする学校もある。神奈川県厚木市では、1~10日はパン、牛乳、ジャムなどの「簡易給食」を提供。袋入りのパンなど、メニューはすべて個包装で、配膳時に直接、食品に触れないようにした。市は、保護者からの要望や感染がある程度収まったことなどを受け、13日からは通常の給食に戻した。

 文部科学省の学校給食摂取基準では、小学校中学年の場合、1食650キロカロリー程度と定める。13~17日の給食はいずれも600キロカロリー台だったが、簡易給食では最も低い日で417キロカロリーだった。

 「栄養足りない」

 一方、埼玉県戸田市でも厚木市と同様の簡易給食を3~10日に提供したが、簡易給食の写真がSNSで拡散され、市に「量が少なすぎる」「栄養が足りない」といった苦情が80件以上寄せられたという。

 簡易給食は、文科省が今年4月に発表した「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」にも記載。感染が拡大している地域では「通常の提供方法による学校給食の実施は原則として困難」として、給食をあらかじめ弁当容器へ盛り付けて提供することなどと合わせ「簡易な給食を提供することも考えられる」とした。文科省の担当者は「簡易給食は一時的な措置。感染対策と栄養を取ることは本来両立しなければならないが、難しいのが現実」と話す。

 女子栄養大の中西明美准教授(学校給食)は「簡易給食は数日ならやむを得ないが、長期にわたると子供の発育に影響が出る。簡易給食を行う場合、足りない栄養を家庭で補うよう、周知しなくてはならない」と話した。

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