ヘルスケア

バリエーションはさまざま、パチンコ店やワクチンカーが接種会場に 

 新型コロナウイルスワクチンの2回の接種を完了した人が日本の人口の半分を超えるなど接種が進む一方で、自治体によっては予約が取りにくかったり、若者世代への接種が進まなかったりと課題も多い。そうした課題を解決しようと、自治体や民間企業ではさまざまなバリエーションでワクチン接種を進めている。

 13、14の両日、ワクチン接種が行われたのは日本一長い商店街として知られる大阪市北区の天神橋筋商店街近くのパチンコ店「フリーダム天六店」。職域接種の一環で、店の従業員や商店街の組合員、近隣住民ら計約1500人が米モデルナ製ワクチンを接種した。10月中旬に2回目を予定している。

 普段とは違い静かな店内では、事前予約した人が、遊技機の前で1席ずつ間隔をあけて待機。近くの病院から派遣された医師からの問診が終わると、そのまま席に座りながら注射を受けた。接種を終えた近くの主婦(53)は、「換気もしっかりされていて安心だった。初めてのパチンコ店で、15分の経過観察もあっという間だった」と話していた。

 4日間の休業で店側に出る損失は数千万円になるが、パチンコ店の運営会社「アバンス」の内藤新二郎さん(50)は「幼い子供を持つ母親から感謝の言葉も受けた。コロナ禍でパチンコ店に批判的な人々は増えていたが、少しでも地域に貢献できたらうれしい」と話す。

 大阪府豊中市は、若い世代のワクチン接種を加速させるため、医師や看護師らが乗る「ワクチンカー」を希望の場所まで派遣して、車内で接種してもらう取り組みを始めた。

 ワクチンカーはキャンピングカーを改造。接種を希望する24人以上のグループのもとに、市内であればどこへでも向かう。13日には市内2カ所で計約80人が車内で接種。中高生が保護者と一緒に訪れる姿も目立ったという。

 市によると、13日現在で2回接種を完了した12~34歳の市民は18・94%と低調。担当者は「若年層の『来てくれたら接種しようかな』というニーズに応えた」と話し、機会を増やして接種を促したい考えだ。

 滋賀県では若年層の接種機会を増やすため、今月に入って県の大規模接種会場と県職員向けの職域接種で16~29歳限定の枠を新設。29歳以下の1回目のワクチン接種率は約1カ月前と比べて2倍以上になった。

 奈良県生駒市でも学校や仕事が終わってから立ち寄りやすいようにと、駅に近い市コミュニティセンターでの接種時間を今月29日から、原則午後4~8時とした。担当者は「接種率の向上を期待している」と話した。

 和歌山市では、午後8時まで利用できる夜間集団接種会場を今月25日に大型商業施設に設ける。予約を受け付けたところ、約20分で定員の300人に達したため、市では若年層の潜在的な需要が多いと判断。10月2日と9日にも追加実施することを決めた。

Recommend

Biz Plus

Ranking

アクセスランキング