ヘルスケア

新型コロナとの「共生」は無理? ロンドン・ある男性のため息

 【ロンドンの甃】ロンドンで昨年取材した新型コロナウイルスの感染経験者の男性と先週、電話で話す機会があった。

 「コロナは今も僕を苦しめている」。男性はため息をついてそう打ち明けた。

 男性は昨年3月に新型コロナに感染。同年夏にPCR検査で陰性と診断された後も疲労感や吐き気といった後遺症の症状に悩まされた。私が取材した11月に症状は収まったと聞いていたが、その後、症状が再発した。今も頭痛や倦怠(けんたい)感で眠れない時があるそうだ。

 英国では後遺症を抱える患者が増えている。英イングランド公衆衛生庁などが実施した調査で今月、感染者の若者の7人に1人が、数カ月経過しても頭痛などの症状があると判明した。

 英国の研究機関は後遺症の有効な治療法を確立しようと躍起だ。英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)は後遺症の症状のある4500人以上の被験者を募集し、治療薬の研究を進める計画を立てた。ただ、後遺症の原因すら分かっていない中、患者を救う研究成果をすぐに得ることは期待できない。

 英政府は7月、イングランド地方で新型コロナの行動規制をほぼ撤廃し、ウイルスとの共生を訴えた。しかし、冒頭の男性は「後遺症の問題が解決するまで、ウイルスとの共生などありえない」と規制の撤廃に異論を唱えた。(板東和正)

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