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火星移住「本気」 1058人選定/最終24人 10年後から「片道切符の旅」

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火星移住「本気」 1058人選定/最終24人 10年後から「片道切符の旅」

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 「人類火星移住計画」を進めているオランダの民間非営利団体「マーズ・ワン」は1月2日、約20万人の移住希望者の中から一次選考で1058人の候補者を選んだと発表した。候補者は最終的に24人に絞られ、2024年から2年ごとに4人ずつ火星に旅立つ予定だが、火星から地球に戻る宇宙船を打ち上げるのは技術的に不可能なため、移住者は二度と地球には戻れない。計画にはオランダのリアリティー番組が一部出資しており、候補者たちの訓練の様子や、移住成功後は火星での生活ぶりなどをテレビ放映し、資金を集めていくという。

 最高齢は81歳

 マーズ・ワンは昨年(2013年)4月から8月に移住希望者を募集した。AFP通信などによると、行ったきりの移住であることや安全性を危ぶむ声もあることから、どれだけの応募があるか注目されたが、世界中から20万2586人の応募者が殺到。応募者(18歳以上であることだけが条件)が提出した1分間のビデオメッセージや書類などで「本気度」を審査し、107カ国・地域から1058人を選んだ。

 1058人には昨年(2013年)12月30日に「不屈の精神、的確な判断力、遊び心を備え、病歴および麻薬使用歴がなく、英語を話すことができ、惑星間移住開拓者の一員となる基準を満たすとみられる幸運な方です」とEメールで通知されたという。1058人の内訳は多い順に、米国人(応募者約4万8000人)が297人、カナダ人が75人、インド人が62人、ロシア人が52人で、日本人(応募者396人)も10人(男女5人ずつ)含まれている。最高齢者は81歳だった。

 候補者 2年間訓練

 マーズ・ワンの医療責任者、ノーバート・クラフト氏によると、候補者たちは今後2年間、肉体および感情面の能力評価に重点を置いたシミュレーションに参加。40人にまで絞り込んでから、宇宙飛行士に必要な訓練を重ねていくという。

 昨年(2013年)12月、マーズ・ワンは米ロッキード・マーチン・スペースシステムズと火星着陸船の設計研究で25万ドル(約2600万円)の契約を結んでおり、試作機の無人試験飛行を18年に行い、このミッションで火星に人類が定住するための技術を実証するとしている。具体的には、居住施設は事前に地球からの遠隔操作で建てておき、生命維持に必要な水や酸素は地中の氷を溶かして生成。ソーラーパネルで太陽光エネルギーを活用して屋内で野菜を栽培し、移住直後を除き自給自足するという。

 最短でも200日超

 ただ、到着後の生活の困難さもさることながら、火星への宇宙飛行も難関だ。マーズ・ワンの共同創設者でエンジニア出身の起業家、バス・ランスドルプ氏は「火星に行くことは月に行くのと技術的大差はない。問題はスポンサー(計画の予算総額は約6300億円)探しだ」と話すが、地球から火星までの距離は最短で5500万キロ(月までの約145倍)もあり、200日以上を要する。米航空宇宙局(NASA)ですら、2030年代半ばまでの火星有人飛行の実現を目指し、まだ次世代有人宇宙船の試験機を開発している段階だ。計画の今後の進捗が注目される。(SANKEI EXPRESS

 ■火星 太陽系の内側から4番目に位置し、地球のすぐ外側に軌道を持つ惑星。地球との平均距離は7800万キロだが、15~17年ごとに5500万キロまで近づく。地球に比べて直径は約半分、表面積(全土が硬い岩石)は約4分の1、重力は約40%。平均気温はマイナス50度以下で、大気の約95%が二酸化炭素。24時間37分で自転、687日で太陽の回りを公転しており、地球同様に自転軸を傾けて公転しているため四季が存在する。

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