【野口裕之の軍事情勢】「不都合な歴史」明治を封印するアンポ反対派の「昭和好み」
更新英紙はもとより米紙の厚い援護も受けた。例えば帝國海軍の露艦隊攻撃を、露仏紙は「宣戦布告前の夜襲で国際法違反」などと非難した。だが国際世論をリードする英米紙は戦史をたどり、未完成だった法理をつき反論。露艦隊を壊滅させると敬意を込めて激賞し、列強の「数国干渉」を牽制、居丈高なロシアを講和の席に着かせた。
逆説的には《世論戦》がいかに恐ろしいか、だ。中国は韓国と共闘し、米政界で“慰安婦の強制連行”なる虚構を垂れ流すが、日米同盟が一層深化すれば、米政界の「中韓びいき」は薄まると確信する。
ただし欧州は大国・支那の歴史や宝物に魅せられ、日清戦争や義和団の乱を経て尚「眠れる龍」だと信じた。一党独裁の現中国になっても、遠く離れた東/南シナ海での海洋侵出に目をつぶり、利権に群がる悪癖を棄て切れぬ。実際、中国主導の投資銀行に英独仏が加担した。
反面日清戦争後、独露仏は三国干渉を正当化すべく、日本を念頭に黄色人種の脅威を煽る《黄禍(おうか)論》を流布。大東亜戦争(1941~45年)誘因の一つと成った。もしかして「軍靴の音が聞こえる」と政権の脅威を煽るアンポ反対派は、黄色人種でありながら黄禍論者!? 否。有事と有事の間の一時的平和(=戦間期)を恒久平和と錯誤する戦間期「謳歌(おうか)論者」ではないか。
