試される結束 6億人の格差経済圏 ASEAN共同体 31日発足
更新中途半端な“統合”の背景には、「小国が大国にのみ込まれる」との強い懸念がある。例えば、シンガポールの貿易額はラオスの約67倍、シンガポールの1人当たりの国内総生産(GDP)はカンボジアの約52倍と、大きな開きがある。
このため、AEC発足に伴い示された工程表には、これまで同様、投資や人の移動などの自由化が盛り込まれたものの、段階的な達成期限は今回、明記されなかった。
市民の期待と不安も交錯
見通しが立ちにくい域内経済統合には、加盟国の市民も期待と不安を抱いている。シンガポールの英字紙ストレーツ・タイムズが、10月下旬から12月初旬にかけ、加盟10カ国で実施したアンケートでは、「AEC創設でASEANの国際競争力が高まると思う」の回答は77.7%だったが、「生活が良くなる」と回答したのは49.6%にとどまった。
域内で最もインフラや法律が整備されたシンガポールで、10~14年に地域統括機能を設置した日系企業は36社と、05~09年の12社の3倍に達した。調査に当たった日本貿易振興機構シンガポール事務所の小島英太郎氏は「AECへの期待があったため」とする一方、日系企業が集積するタイへの分散など慎重な企業行動の実態も指摘する。
