「海を耕せ!」水産資源枯渇への挑戦 近大クロマグロ完全養殖技術
更新近畿大学が世界で初めて完全養殖に成功したクロマグロを提供する専門店が26日、大阪・うめきたの複合ビル群「グランフロント大阪」にオープンした。大阪最後の一等地に店を構え、国内の大学の初の直営店事業として注目を集める。
飽食の時代に外食産業に乗り出した近大だが、その水産研究の原点は、戦後の食糧難への対応を目指す「海の畑」構想。そしていま、視線の先に世界的な水産資源の枯渇への挑戦という壮大なテーマを掲げている。
大学直営店賑わう
店名は「近大卒の魚と紀州の恵み 近畿大学水産研究所」。運営はサントリーのグループ会社が担当しており、個室とカウンター席など合わせて約100席は開店以来満席が続き、約40席の予約席は5月いっぱいまでほぼ埋まっているという。
クロマグロをはじめ、シマアジやヒラメなどを使った刺し身や煮付けなどの料理を振る舞うのが売り。価格面では稚魚を獲って育てる一般的な養殖マグロより2~3割高いが、近大の完全養殖マグロを使った料理には「卒業証書」が添えられる趣向も人気。訪れた客は「脂がのっておいしい。養殖魚の味がおいしいことがわかった」「近大のマグロには興味があったが、身近に味わえる場所ができてうれしい」と話す。


