【試乗インプレ】価格以上のもてなし感を繰り出す内外装 メルセデス・ベンツGLC(後編)
更新 箱根の山坂道でメルセデス・ベンツGLCの
SUVながらベンツらしい優雅さをも纏う
GLCはベンツのSUVラインナップでは中堅どころ。ベースとなったセダン・ステーションワゴンのCクラスをそのままSUVにスライドしたような位置づけと考えていいだろう。中堅と言っても、文末のスペックを見てもらえばわかるように、ボディサイズはずいぶん立派だ。運転にあまり自信がなかったり、経験の少ないドライバーは躊躇してしまう大きさかもしれない。特に横幅はもう少しで1.9メートルという幅広さ。慣れないうちは、狭い住宅街では神経を使う場面もあると思う。しかし心配はいらない。ボディの前後に装備したカメラからの映像を合成して、インパネの画面上にクルマの周囲360度をリアルタイム表示する機能があるからだ。一目で前後左右の余裕が確認できるから、狭い場所を通る時だけでなく、車庫入れの時にも大活躍する。最初のうちはこの機能をフル活用していれば、車両感覚をつかむのにさほど時間はかからないだろう。
外観デザインは、一言で言えば、Cクラスのステーションワゴンをそのまま上方向にストレッチして大径タイヤを履かせたイメージ。しかし、派生車種っぽい不自然さはなく、ベース車のない状態で一からデザインされたかのような、均整のとれたバランスを持っている。個人的には、GLEやGLA、先代にあたるGLKなどセダンベースのSUVシリーズの中でもっとも塊感が強く、まとまりがいいと思う。背が高くタイヤも大きいSUVとしての基本的な主張はしっかりありながら、同時にベンツらしい優雅さすら感じさせる。