他の小売店はガラガラ…渋谷のハロウィーン、稼いだのはドンキとコンビニだけ?
配信元:ITmedia ビジネスオンライン 更新ドンキ渋谷本店ではハロウィーンの期間中、コスチュームを購入したお客を対象に更衣室を提供している。入口でレシートを店員に提示すれば、2回まで入室できる仕組みになっている。記者が更衣室の入口付近で観察したところ、仮装姿の若者が次々と出てきた。
仮装姿の若者の持っている袋の中には、同店で購入したフェースペイントや、カラーコンタクトが入っていた。仮装に必要なものをほとんど店内で調達できるようになっており、さながら同店は“仮装人間製造工場”のようだと感じた。
アルコール売り場では瓶入りの日本酒やワインが
ドンキ渋谷本店の2階にあるアルコール売り場で、瓶に入ったアルコールの販売状況を確かめてみた。冷蔵庫内の中には缶に入ったアルコールだけが並べられており、瓶に入ったアルコールの販売を自粛していることを告知する張り紙があった。
しかし、店内には瓶に入った常温の日本酒、ワイン、ウイスキーなどが大量に陳列されており、記者は違和感を抱いた。確かに、渋谷区から自粛要請されているのは冷蔵庫で販売する瓶入りアルコールだ。しかし、仮装して歩きながら小さいサイズの瓶に入った日本酒やウイスキーを飲むお客は一定数いるはずだ。
ドンキ渋谷本店では店員が積極的に周囲の清掃活動に取り組んでいるし、一企業にどこまで販売自粛を要請できるかというのは判断が難しい問題ではある。しかし、渋谷区の販売自粛要請で防げる瓶のポイ捨てには限界があるように感じた。
小売店はどれほど恩恵を受けたのか
子どもを寝かしつける必要があったため、記者は午後7時に渋谷を出たのだが、その後はどうなったのだろうか。
『夜遊びの経済学』(光文社)などの著書がある木曽崇氏(国際カジノ研究所 所長)は10月31日の夜に渋谷を訪れており、自身のTwitterに次のように投稿している。
「こりゃ、アカンわ。小売店系は総じて全滅。センター街のど真ん中の店でも全然、中に人居ない」
「ABCマート@センター街は早々に店じまい」
「コンビニが一番混んでるという現実」
また、各種報道によると、混雑するエリアで営業しているお店は売り上げが伸びるどころか、普段訪れるお客が混雑を敬遠するせいで閑古鳥が鳴いている状況だという。
記者が取材した内容とこれらの情報を総合すると、“ハロウィーン特需”で大きく稼いだ小売店はドンキとコンビニだけだったのではないかと感じた。これだけ多くの騒ぎが起きているのに、経済波及効果がそれほど見込めないのならば、渋谷区と近隣の商店街にとっては大きな迷惑でしかないだろう。