パキスタン初、携帯周波数競売 落札額1134億円、政府目標に届かず
更新一方、今回の最低入札額は不参加をちらつかせた業界主導で決定したものだとして、同国の通信市場に公正な自由競争が定着するまでにはまだ時間がかかるとする意見もある。
現地英字紙ドーンによると、ダール財務相は当初、落札合計額の目標を20億ドルに設定していたが、訂正を繰り返し、最終的には12億ドルまで引き下げた。
また、パキスタン政府は公正な競争実現のためにカタールやトルコなどの企業による新規参入を促したいとしていたが、参加を見送られ、結局、入札企業がそのまま落札企業となった。
こうした状況について、地場証券会社AKDセキュリティーズの幹部は「政府が目標の引き下げを繰り返し、競争もない状況では入札価格が上昇しないのも当然だ」と述べた。
また、このほかにも「オープンな環境で透明性のある入札を実施できたのが、何よりの成功の証しだ」とする専門家がいるなど、評価はさまざまだ。
通信業界は2020年までに高速データ通信の利用者が最大4500万人まで増加し、4000億パキスタンルピー(約4165億円)の市場が新たに誕生すると期待している。パキスタンの通信市場の真価が問われるのはこれからといえそうだ。(ニューデリー支局)
