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インドネシア高速鉄道計画「白紙撤回」 日本に求められるしたたかな交渉戦略

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インドネシア高速鉄道計画「白紙撤回」 日本に求められるしたたかな交渉戦略

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 日本はインフラ輸出を成長戦略の柱として、平成22年に10兆円だった輸出総額を32年までに30兆円に増やす目標を掲げ、各国で積極的なセールスをかけている。昨年10月には輸出を支援する官製ファンド「海外交通・都市開発事業支援機構」も立ち上げた。

 それだけに政府のショックも大きく、宮沢洋一経済産業相は4日の記者会見で「私自身もインドネシアの関係者にお願いをしていた件であり、残念なことだ」と述べ、太田昭宏国土交通相も「インドネシア政府の詳細な説明を待ちたい」と戸惑いを隠せない。新たにインドネシアが提案した「中速鉄道」への見直しに日本が応じるかどうかは現時点では不透明だ。

 「もはや技術力だけでは決め手にならない」(政府関係者)。今後、日本が受注競争を勝ち抜くためには強みである運行システムや維持管理などの高い技術をアピールするだけでなく、今回のように財政面での支援なども含めて、したたかな交渉戦術がいっそう求められることになりそうだ。(大島直之、田端素央)

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  • 記者団の取材に応じる谷崎泰明駐インドネシア大使=4日、ジャカルタ(共同)

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