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AIIBで習近平氏にすり寄り…“現代版シルクロード”は低迷する欧州に大きな魅力

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AIIBで習近平氏にすり寄り…“現代版シルクロード”は低迷する欧州に大きな魅力

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 「やはり400億ポンド(約6兆6800億円)の“威力”はすさまじい」

 国際通貨基金(IMF)の元幹部がそう皮肉るのは、昨年10月に中国の習近平国家主席が訪問先の英国に約束した巨額投資だ。

 それから間もない同年12月3日。「これでアジアとの経済関係にとって素晴らしい一年は締めくくられた」。キャメロン英政権きっての親中派のオズボーン財務相は声明で、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)設立協定批准を手放しで喜んだ。

 初めてAIIB参加を表明した英国を引き金に、独仏伊など欧州はAIIBへと雪崩を打った。背景には中国との経済関係強化を競い合い、欧州経済の低迷が続く中、アジアの巨大なインフラ市場に食い込みたい事情がある。中国がAIIBを活用して目指す現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」も、終点となる欧州には大きな魅力だ。

 EUは昨年、域内で進めるインフラ投資計画と一帯一路が「相乗効果」を見込めるとして中国との連携で一致。中国は昨年末、欧州復興開発銀行(EBRD)への加入も認められた。一帯一路への協調融資に乗り出す可能性もある。

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