トランプ氏との交渉、手ぐすね引く中国 日本は20世紀に描いた対中シナリオ捨てよ
更新これが奏功して中国は世界最速で危機を乗り越えるV字回復を果たし、そのマネーはただちに外交や軍事につぎ込まれた。日本や台湾などとの軋轢(あつれき)、国際法を無視した南シナ海への進出で国際社会を脅かす政治パワーへと変化した。日米は膨張スピードと戦略性を侮っていたのではないか。
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かつて国際社会は、中国に対し「衣食足りて礼節を知る」を期待し、数多くの機会を与え続けてきた。
01年12月に実現した世界貿易機関(WTO)への中国の加盟。08年の北京五輪や10年の上海万博などもそうだ。国際組織への加盟や国際イベントの開催で、国際ルールを順守し、責任ある大国として行動するよう中国に求めてきた。今年の20カ国・地域(G20)議長国を任せたのも、その名残だったろうが、ことごとく期待は裏切られてきた。
日本は1972年の日中国交正常化以来、3兆円を超える政府開発援助(ODA)を供与。GDPが逆転してもなお、無償資金協力などとして毎年数十億円を進呈し続けている。ODAの枠外にある政府系援助も膨大だ。対中進出した日本企業は2万社を超え、撤退したくともできない“アリ地獄”の環境下にある。
20世紀に考えた中国の近代化や政治改革、国際社会との協調などの予想が外れたにもかかわらず、日本はなお、20世紀に描いた対中シナリオにしがみついているようにみえる。一党支配によるスピード感に、日本は追いついていけない。
