むしろ潤っている? 制裁下で17年ぶり高成長 知られざる「北朝鮮経済」の実態
更新前年に資源価格が下落した反動もあるが、ほとんどの産業で伸びが拡大した。GDPの21%を占める工業ではとくに重化学工業が前年の4・6%減から6・7%増のプラスに転じた。12%を占める鉱業も2.6%減から8・4%増とやはり大きく伸びた。GDPで最も大きな割合の22%を占める農林水産業も0.8%減から2.5%増とプラス成長に転じている。
<< 下に続く >>
制裁により各国との貿易が減少し続け、2009年11月に通貨を100分の1に切り下げるデノミネーション(通貨呼称単位の変更)で信頼失墜を招いたのにもかかわらず、リーマン・ショック後の09年から12年まで景気回復が続き、15年にマイナス成長となるまで「伸び率はほぼ横ばいの安定的な成長を持続している点は注目すべきだ」と片白氏は強調する。
北朝鮮は中国への貿易依存度が高く、総額の9割以上を占める。その中国も国連の制裁決議に基づき、制裁を強化しており、今年2月には石炭輸入を停止し、8月から鉄鉱石や鉛の輸入を禁止した。影響はじわりと広がり、今年1~9月の輸入額は前年同期比16・7減となったが、片白氏は「今後も貿易総額の減少傾向が続くかは定かではない」とみている。今年1~9月の輸出額は20・9%増とむしろ伸び、輸出が押し上げて貿易総額も12・4%増だった。
片白氏は「西側諸国による制裁はかつてほど効いていない。北朝鮮は海外に資金源を多く持っているからだ」と指摘する。
