国内

TPP11発効“薄氷の合意” 日本が水面下でカナダ説得

 対米関係で「同志」でもあるメキシコを日本の味方に引き入れ、TPPを10カ国でも早期発効させる覚悟を示せれば、孤立して巨大自由貿易圏を追い出されるカナダは焦る。今年1月、茂木氏はメキシコへ飛び、グアハルド経済相と会談。労働分野に関するベトナム、メキシコの対立を解決した後、切り出した。

 「このままではカナダは遅延戦略を取り続ける。10カ国でも署名する状況を作りカナダを前向きにすることが重要だ。日本と共同歩調を取ってもらいたい」

 旧知の仲であるグアハルド氏は茂木氏の思いがよく分かる。「TPPはメキシコにとっても重要だ」。全面賛同だった。

 強い覚悟「勝因」

 TPP11の交渉の舞台裏を振り返ると、カナダの主張に配慮しすぎていれば署名は先延ばしになる恐れがあった。メキシコも巻き込んで外堀を埋め、10カ国になってもTPPを発効させるという強い覚悟を示したことが「勝因」だった。

 日本は署名後、来年の発効を目指すが、今後、最大の焦点となるのが米国の復帰だ。トランプ大統領は今年1月、TPP復帰を検討する意向を示したが、条件として再交渉を求める考えを示した。米国の要求に配慮しすぎれば、せっかくまとまったTPPが大きく揺らぎかねないだけに、日本は、これまでの交渉を教訓にどこまで国益にかなった判断が下せるかが問われることになる。(山口暢彦、高木克聡)

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