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通貨スワップ、「円」でも可能に 緊急時のニーズ対応、シンガポール・インドネシアと見直し

 麻生太郎財務相は4日、シンガポールとインドネシアとの間で結ぶ、金融危機などで資金が困ったときに両国の通貨と引き換えに米ドルを提供する「2国間通貨スワップ(融通)取り決め」を見直し、日本円でも引き出せるように改めると表明した。両国に進出する日本企業が増え、緊急時に円を確保したいというニーズに対応する狙いがある。

 アジア開発銀行(ADB)年次総会にあわせてフィリピンの首都マニラで4日に開かれた日中韓とASEAN(東南アジア諸国連合)財務相・中央銀行総裁会議で麻生氏が表明した。

 交換する通貨は、シンガポールドル、インドネシアルピアと、米ドル・円で、スワップ額はシンガポールが30億ドル相当(約3300億円)、インドネシアが227.6億ドル相当となる。

 日本は、ASEAN諸国のうち、シンガポールとインドネシア、フィリピン、タイの4カ国との間で2国間通貨スワップ取り決めを締結しており、金額は合わせて407.6億ドルにのぼる。麻生氏は、昨年5月に横浜市で開かれた日ASEAN財務相・中央銀行総裁会議で、金融危機時に円でも引き出せる新たな協定の創設を提案しており、昨年10月にはフィリピンと、スワップからドル・円で引き出せる契約を結んでいる。

 日本は、ASEAN加盟国と、緊急時にドルを融通しあう「チェンマイ・イニシアチブ」と呼ばれる金融安全網を敷くが、2国間の対応も強化することで、危機への備えを万全にする。

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