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【論風】米国はどこに行くのか 拡大する格差と深まる分裂

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 日欧上回る不平等

 数年前には格差に抗議する「99%」のデモがあったが、格差は次第に定着し、下層から上昇していくのは極めて難しくなってきているのだ。格差を数量的に指標化したジニ係数(1.00に近いほど不平等)は米国が0.39と、英国(0.36)、日本(0.33)、フランス(0.30)、ドイツ(0.29)を大きく上回っている。

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 しかも、1985年前後に比べると、かなり増加してきている(85年は0.32)。格差は次第に拡大してきているのだ。

 格差の拡大は社会の分裂を生みかねない。90年代、米国人歴史家、アーサー・シュレジンガーや米国人ジャーナリスト、スタッズ・ターケルが「米国の分裂」についての著作を出しているが、それから30年近くたった現在、分裂はさらに深まっているのではないだろうか。

【プロフィル】榊原英資

 さかきばら・えいすけ 東大経卒、1965年大蔵省(現財務省)入省。ミシガン大学に留学し経済学博士号取得。財政金融研究所所長、国際金融局長を経て97年に財務官就任。99年に退官、慶大教授に転じ、2006年早大教授、10年4月から現職。75歳。神奈川県出身。

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