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【ビジネス解読】スマホ新機種の不振・中印後退で大台割れ、“帝国”サムスンに黄信号

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【ビジネス解読】スマホ新機種の不振・中印後退で大台割れ、“帝国”サムスンに黄信号

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 ハンギョレ新聞(日本語電子版)によると、米調査会社ストラテジー・アナリティクスが9月上旬にまとめた今年の世界販売予測では、サムスンは2億9850万台。昨年から1900万台減少する見通し。サムスンは3億台の大台を2013年から維持。昨年も2位の米アップルを1億台の差をつけて引き離してきたが、5年ぶりに3億台を割り込む。「ノート7」のバッテリー発火事故を引き起こした16年でさえ、3億940万台に達した。

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 一方、アップル、中国・華為技術(ファーウェイ)、小米科技(シャオミ)、広東欧珀移動通信(オッポ)の2~5位メーカーは、いずれも昨年より販売台数が伸びると予想。サムスンは首位をキープするとはいえ、「独り負け」の様相だ。

 ギャラクシーの停滞は巨大市場に成長した中国、インドでの存在感の低下が響いている。サムスンは、販売台数こそ劣るものの利益率が高いアップルを意識して追いつこうとするあまり、中国勢の技術革新の速さに対する警戒を怠った、と関係者は指摘する。このため、中国では価格性能比の高さを前面に出したファーウェイなど自国勢の攻めにさらされ、一時20%近くを占めたシェアが0%台に落ち込むほど不振を極めている。

「ギャラクシーノート9」を紹介するサムスン電子の高東真社長=8月、米ニューヨーク(ロイター)

「ギャラクシーノート9」を紹介するサムスン電子の高東真社長=8月、米ニューヨーク(ロイター)

 インドも同様だ。サムスンは12年からシェアで首位を占めてきたが、シンガポールに拠点を置く調査会社によれば、14年に参入したシャオミに追い上げられ、既に四半期ベースでは昨年、首位の座を奪われた。サムスンは、中低位の廉価版で対抗するものの、「価格や品ぞろえで目新しさに乏しい」という。重要市場での巻き返しに向け、現地のスマホ工場の増強を決めたが、インド市場の過半数を中国勢が握る。居場所を失うのも時間の問題とみられている。

このニュースのフォト

  • サムスン電子のスマートフォン「ギャラクシーノート9」=8月、米ニューヨーク(共同)
  • 「ギャラクシーノート9」を紹介するサムスン電子の高東真社長=8月、米ニューヨーク(ロイター)
  • 平壌で行われる南北首脳会談に同行するサムスン電子の李在鎔副会長(手前)ら=9月18日(共同)

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