SankeiBiz for mobile

【視点】災害大国日本 減災と自助で過去の教訓を生かせ

記事詳細

【視点】災害大国日本 減災と自助で過去の教訓を生かせ

更新

 新たな問題がスマホだ。ネットやラジオ、照明としても使える。地図もある。利便性を求める一方で、停電時の準備はどうだったか。急いで充電器を購入しようにも、店が被災したり、在庫がないことも。充電器と乾電池の常備は教訓としたい。

<< 下に続く >>

 元東京消防庁消防官で防災アナリストの金子富夫氏は、ラジオや手動充電式の懐中電灯、連絡手段としてのホイッスル、ろうそくなどのほか、家庭のキッチン周りに着目。「ラップはけがをした際の止血用、鍋はヘルメット代わりになる」という。車を持つ人は、シガーソケットからコンセント用の電源を取れる変換器も必要。金子氏も「身近な対策で助かることがあるし、車は『小さな発電機』になる」と指摘する。

 東日本では、岩手県釜石市の小中学生約3000人が生き延びた。防潮堤などの施設に依存せず、「バラバラでもいいから、逃げる」の訓練を実施。備えることの重要性を教えてくれた。

 防災教育では、こんな意見もある。全国の幼稚園、保育園、企業などで減災教育の普及活動を展開している「NPO法人減災教育普及協会」(横浜市)の江夏猛史理事長は「行政は国の想定を知らない現場(先生)に任せている。子供は言われた以上の危険はないと思ってしまう」と話す。

 たとえば、机の下に隠れる指導。落ちてくる照明などから身を守るにはいいが、守れないものもある。江夏氏は「学校や隣の建物が崩れてくる可能性を考えていない。ほかにも危険があるのに、守る方法を一つしか教えていない。想定外を想像できない教育」と話す。リスクがはっきりしない状態では、安全は成立しないのだという。

 江夏氏は減災セミナーなどを通して、実際に天井などに使われる1枚14キロほどある石膏(せっこう)ボードを持参して重みを確認してもらい、落ちてきた際、頭を守るようにかがんでもダメなほどの衝撃を体験させている。その人の中の想定外を減らしていくためなのだという。

ランキング

Facebook Messanger登録

あなたに合わせたニュースを毎日お届け

Facebook Messangerを登録した時のイメージ画像です