米中貿易摩擦、金融政策にも影響 日銀、経済の先行き懸念
更新日本銀行が31日に公表した経済・物価情勢の展望(展望リポート)で経済成長率や物価見通しを引き下げたのは、米中貿易摩擦などの影響で世界経済の先行き不透明感が強まっているからだ。中国経済は減速し始め、米国発の株安が世界に波及するなど海外リスクは増大。外需が牽引(けんいん)役となり成長を維持する日銀のシナリオが崩れると、金融政策への影響も避けられない。
<< 下に続く >>
日銀は31日、金融政策決定会合を開き、併せて公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、2018年度の経済成長率と物価上昇率の見通しをいずれも下方修正した。黒田東彦総裁は会合後の記者会見で、「保護主義的動きは日本経済の先行きのリスクの一つ。注意深くみていきたい」と述べ、米中貿易摩擦が実体経済に与える影響について懸念を示した。
「下振れリスクが顕在化して経済や物価に影響が出れば、金融政策自体を調整することになる」。日銀の黒田東彦総裁は31日の会見でエスカレートする米中摩擦に警戒感をにじませた。
一方で「今のところはそうなっていない」との認識も示した。足元では米中摩擦が実体経済に与える影響は限定的とみており、展望リポートでは2019、20年度の経済成長率見通しを据え置いた。19年10月の消費税率10%への引き上げの影響も海外需要が補うシナリオは変えていない。
だが、米中摩擦のリスクは現実味を帯びつつある。中国の7~9月期の国内総生産(GDP)成長率は9年半ぶりの低水準となり、投資や消費の減速が示された。貿易面で深く結び付く日本経済も無傷ではいられない。
