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来月から巨大IT実態調査 規制に向け中間論点整理 公正取引委員会

 経済産業省などが設置した有識者会議は12日、プラットフォーマーと呼ばれる巨大IT企業の規制に向け、土台となる中間論点整理を発表した。巨大IT企業の取引慣行の大規模な実態調査や、専門家による監視組織の設置、重要な取引条件の情報開示義務などを盛り込んだ。これを受け、公正取引委員会は来年1月から、巨大IT企業やその取引先などを対象に実態調査に乗り出す。

 有識者会議は経産省と公正取引委員会、総務省が設置し、7月から規制に向けた議論を開始した。

 中間論点整理を踏まえ、政府は18日にも開く未来投資会議で基本原則を策定。年明け以降、法改正を含めた具体的な規制措置の検討に入る。

 中間論点整理では、規制に向け「関係者を対象に徹底した調査を行うべきだ」と指摘。取引先が巨大IT企業との守秘義務などを理由に協力を断る場合には、独占禁止法40条に基づく強制調査の活用も提言した。

 12日に記者会見した公正取引委員会の山田昭典事務総長は「調査の目的達成に向け必要な場合は、40条に基づく調査も視野に入ってくる」と述べた。

 その他、中間論点整理では、法律や経済、情報処理、システム工学などの専門家で構成される監視組織の創設を盛り込んだ。

 また、巨大IT企業の不透明さが個人の権利侵害の原因になるとして問題視。規制が国内外の事業者に公平に適用されることや、規制が技術革新を阻害せず、事業のさらなる発展を促していく重要性も指摘した。

 政府が規制対象の念頭に置くのは、グーグルやアップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コムなどの巨大IT企業。個人情報の取り扱いの不透明さや、企業に不当な取引を要求する事例が判明し、政府は規制に向け動き出している。

 ■有識者会議がまとめた中間論点整理の主なポイント

 ・監視組織を設置し、プラットフォーマーの運営などを継続的に調査・分析

 ・大規模で包括的な徹底した調査を行う

 ・独禁法を補完するため、重要な取引条件の開示・明示を義務付ける

 ・国内外の事業者が同等のルールを適用される

 ・プラットフォーマーの不透明さが個人の権利侵害の原因となる

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