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日銀のETF購入額、年6兆円を突破

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日銀のETF購入額、年6兆円を突破

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 日本銀行の上場投資信託(ETF)買い入れ額が、年間6兆円の購入枠を初めて上回り過去最高を更新した。米中貿易摩擦が激化する中、株価の下支え役として投資家の期待は大きいが、株式市場の機能が低下するなど副作用も指摘される。15日で購入開始から8年になるのを控え、市場は日銀頼りを強めている。(田辺裕晶、佐久間修志)

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 1月から今月13日までの累計買い入れ額は6兆702億円に上る。日銀は大規模な金融緩和策の一環で、「年間約6兆円ペース」という購入枠を掲げてETFを買い入れている。だが、10月の世界同時株安を受けて株価下支えの買い入れが膨らんだ。これまでの最高額は29年の5兆9033億円だった。

 日銀は7月末の政策修正で、「市場の状況に応じて買い入れ額は上下に変動しうる」とETF買い入れの弾力化を表明しており、大手証券関係者は「6兆円という金額の上限にこだわらないとのメッセージ」と受け止めている。

 日銀がETF購入を始めたのは白川方明前総裁時代の平成22年12月15日からだ。中央銀行が上場株を大規模に買い入れるのは前例がなかったが、20年のリーマン・ショック後に低迷した株価を下支え、投資家の不安を和らげた。購入枠は英国が欧州連合(EU)離脱を決めた直後の28年7月に3.3兆円を6兆円に拡大するなど段階的に増やしてきた。

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  • 黒田東彦総裁(宮崎瑞穂撮影)

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