株急落15カ月ぶり2万円割れ “火種”尽きず不安増幅
25日の東京株式市場で日経平均株価が2万円の大台を割り込んだ要因は、米国の一部政府機関の閉鎖などトランプ米政権の政策停滞リスクが意識されたからだ。他にも、米中貿易摩擦や欧州政治不安など多数の“火種”が顕在化しており、市場心理は悪化の一途をたどっている。
「先行きの心配などが売りの材料になっているのかなという感じだが、大きな心配をしているわけではない」。麻生太郎財務相は同日の閣議後会見で、大幅に下落した株式相場に楽観的な見方を示した。
ただ、市場はバブル崩壊後の最高値を更新した2万4270円62銭となった10月2日以後、混迷を深めている。平均株価は約3カ月で5000円超も下落。特に12月は下げ足を加速させ、1カ月もたたずに終値ベースで3000円も下げた。20を上回ると投資家の不安心理が高まっているとされるVIX指数は36.07と2月上旬の株価急落以来の水準だ。
「気がつけば不透明な材料が多く、投資家は目先の値動きについていくしかなくなっている」。楽天証券経済研究所の土信田雅之シニアマーケットアナリストは、足元の市場心理を代弁する。
10月上旬の高値からわずか1週間。平均株価を一時1000円超下落させたのは米長期金利の上昇だ。追加利上げペースの加速につながり、米景気を冷え込ませると警戒された。さらに2週間後には、米企業の決算発表で大手企業が通期業績見通しを慎重にみる動きが顕在化し、世界経済を牽引(けんいん)してきた「米国1強」に揺らぎが出てきた。
米中の貿易摩擦に対する懸念が、マイナス要因を増幅させている。いちるの望みを寄せた12月1日の米中首脳会談も、追加関税が一時的に猶予された一方、90日の猶予期間内での妥結が難しいとの見方に加え、米国の要請で中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)幹部がカナダで拘束され、先行き不透明感の払拭にはつながっていない。
平均株価の1株当たり株価収益率(PER)は、アベノミクス相場平均の14~16倍に対して11倍台と大幅な割安水準。個人投資家が高配当銘柄を物色する動きも一部みられるが、市場関係者からは「割安感だけで買いにいけない。反転は年明けの米企業決算を見てから」(野村証券)と年内を悲観する声も聞かれた。 (佐久間修志)