国産イチゴ、TPP発効受け輸出強化 アジア市場開拓へ新品種も
更新農林水産省によると、17年のイチゴの輸出額は約18億円で、5年前の約10倍だ。香港などアジアを中心に贈答品として高価格で取引されている。
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04年から香港への輸出を続け、国内産トップブランドに位置付けられる「あまおう」の産地、福岡県は米国で販売促進フェアを開くなど新規輸出先の開拓に余念がない。
宇都宮大発のベンチャーは、イチゴを個別包装するカプセル形式の容器を商品化した。開発者の柏崎勝・農学部准教授は「品質の維持に貢献し、世界で新しい市場を生み出したい」と意気込む。
輸出を強化する背景には、国内市場縮小への危機感がある。和歌山県の担当者は「海外で地位を築かなければ農家の所得増は望めない」と話す。
海外市場では、米国や韓国産などライバルも多い。日本青果物輸出促進協議会の幹部は「(国内産地の競合による)値崩れや共倒れを避けたい。国内産イチゴを店頭に一年中並べるなど、購買層を広げる努力も重要だ」と指摘している。