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1月の機械受注5・4%減 中国減速で製造業に弱さ

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 内閣府が13日発表した平成31年1月の機械受注統計(季節調整値)によると、民間設備投資の先行指標となる「船舶・電力を除く民需」の受注額が前月比5・4%減の8223億円で、3カ月連続のマイナスとなった。3カ月連続のマイナスは29年4~6月以来。中国経済の減速の影響で「電気機械」や「情報通信機械」といった製造業の弱さが鮮明になった格好だ。

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 内閣府は基調判断を「足踏みがみられる」で据え置いた。同様の表現は2カ月連続。内閣府の担当者は、機械受注統計は振れ幅が大きいとした上で、「3カ月連続でマイナスだったが、昨年11、12月がほぼ横ばいだったため、基調判断を変えなかった」と説明している。ただ、受注額の内訳をみると安心できるような状況ではない。

 製造業は前月比1・9%減の3750億円で、3カ月連続のマイナス。昨年11、12月の4・4%減より減少幅は縮小したものの、「その他製造業」の火水力原動機の大型案件が支えている面もあり、力強さには乏しい。電気機械の原子力原動機や電子計算機で前月の反動減があったほか、情報通信機械の電子計算機や通信機が減っている。

 農林中金総合研究所の南武志主席研究員は「製造業の軟調さが鮮明となっており、輸出の伸び悩みの影響が波及しているものと思われる」と分析する。

 非製造業についても、8・0%減の4549億円で、4カ月ぶりのマイナスとなった。昨年10~12月期が堅調に推移した反動とみられ、「運輸業・郵便業」や「その他非製造業」で電子計算機が減った。今後、非製造業は人手不足による合理化・省力化の設備投資が見込まれているが、南氏は「仮に景気が悪化すれば人手不足感が一服する可能性もあり、注意が必要だ」と指摘し、過度の期待に警鐘を鳴らす。

 官公庁や外需を含む受注総額も7・9%減の2兆2342億円で3カ月連続マイナスとなり、失速感は否めない。24年12月から続く「戦後最長景気」を下支えしてきた設備投資も正念場を迎えている。

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