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健康被害指摘で若者は敬遠 ミャンマー、伝統のかみたばこ「クンヤ」

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 ミャンマーの街角のあちこちで、血のような赤い唾液を路上に吐き出す人の姿を見かける。もぐもぐと口にしているのは「クンヤ」と呼ばれる伝統のかみたばこ。健康に有害だとか歯が赤く染まるとかの批判も多いが、庶民にとっては人気の嗜好(しこう)品だ。

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 「1日中絶えずかんでいる。頭がさえ、活動的にもなれる」。最大都市ヤンゴンにあるクンヤを売る露店前で、建設作業員、エナイさんが赤い歯を見せて笑った。

 クンヤは、ヤシ科の植物ビンロウの実やタバコの葉、香辛料などを、水に溶いた石灰を塗ったキンマと呼ばれるコショウ科の植物の葉で包み込んだもの。口に入れてかむと、舌がひりひりしてきて、葉に包んだ実などの成分が混ざり、唾液が赤くなる。口の中には清涼感が広がり、酔った感じにもなる。たまった唾液は路上などに吐き出す。

 1個40チャット(約3円)と手頃な値段。苦みが強いものから甘みのあるものまで、個人の好みに合わせた配合も可能。

 女性店主ティン・ティン・モウさんの露店では、アルコールとはちみつ、ライムを混ぜた中に浸したタバコの葉を使って、ほんのりと甘みを出す。

 ミャンマー保健省の2017年調査によると、15歳以上の男女の43.2%がクンヤを愛好するが、発がん性も指摘されている。政府は同年「禁クンヤ」キャンペーンを実施し、口腔(こうくう)がんの原因となるクンヤをやめるよう、アウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相が演説で訴えたほどだ。

 常用すると歯が赤くなることや、唾液を吐く汚いイメージが原因で、欧米文化の影響が強まるヤンゴンなど都市部を中心に、敬遠する若者は少しずつ増えているようだ。(ヤンゴン 共同)

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