海外情勢
カカオ農家 取引価格不満 インドネシア、欧州でチョコ高評価も…
インドネシア西スマトラ産のカカオ豆を使ったチョコレートが、イタリア中部ウンブリア州ペルージャで1993年から毎年開催されている欧州最大のチョコレート・フェスティバル「ユーロチョコレート」で評判になった。一方で、インドネシアのカカオ豆生産農家の間では取引価格での不満が渦巻いている。インドネシアの現地紙ジャカルタ・ポストなどが報じた。
西スマトラでは2017年に5万8594トンのカカオ豆が生産された。同フェスティバルに出席したイルワン西スマトラ州知事は「世界のチョコ業界は、カカオ豆の栽培農家に繁栄をもたらしていないことを思い起こすべきだ」と発言し、問題を提起した。インドネシアでのカカオ豆生産量は上り調子だが、栽培農家は買い取り価格に不満があることを同知事は示した。
これに対し、ダニエラ・デ・パウリス・ユーロチョコレート組織委委員長は「外国の輸入業者や代理店と一緒に、インドネシア西スマトラ州の高品質カカオ豆生産者をイタリアにお呼びできたのはうれしい」と外交辞令でかわした。(シンガポール支局)